2010年03月
2010年03月15日
アナフィラキシー
私がお付き合いしている方の中にも、乳製品や小麦、そして卵などに対してアナフィラキシーをお持ちのお子さんがいらっしゃいます。
中でも、心肺停止はもちろんのこと、本人が食べたり触れたりしなくとも、周りで食べているだけでアナフィラキシーを起こすお子さんや、予防接種の可否を判断するため、何十倍にも薄めた生ワクチン(ワクチンは鶏卵で培養します。)を使って皮膚テストした結果、反応が現れたお子さんなど、日常生活を送るのに大変なご苦労をされています。
しかし、私がお付き合いをしている方々は、幸いにも大きなトラブルもなく日常生活を送られるようになっています。
そもそも、アナフィラキシーとは、Ⅰ型アレルギーの症状の中で最重症のタイプのことです。
症状としては、皮膚粘膜症状 ⇒ 消化器症状 ⇒ 上気道症状 ⇒ 下気道症状 ⇒ 全身性症状といった経過をたどります。
◎皮膚粘膜症状
皮膚:全身の掻痒感、じんま疹、発赤疹、湿疹など
結膜:眼結膜充血、掻痒感、眼瞼浮腫など
◎消化器症状
吐気、嘔吐、下痢、体重の増加不良など
◎上気道症状
口腔粘膜や咽頭の掻痒感・腫脹など
咽頭、喉頭浮腫、くしゃみ、鼻水など
◎下気道症状
咳、喘鳴、呼吸困難
◎全身性症状 ≪アナフィラキシー・ショック≫
頻脈、血圧低下、けいれん、意識障害など
◎その他のアナフィラキシー
運動誘発性アナフィラキシー、食物依存性運動誘発性アナフィラキシー
大切なことは、初期の場合一過性のケースが考えられるため、対処には十分注意し、慎重に判断することが必要です。
状況を十分に確認しないまま、薬物治療やアレルゲン(食物など)除去治療といった結論を出してしまうと、「お薬への依存が高まる」、「食べるものが限られてしまう」、といったことになりかねません。
必ず、信頼できる医師、又は医療の専門家(満天星倶楽部)に相談してください。
2010年03月10日
離乳食とアレルギー予防!②
③ 開始にあせりは禁物!
開始する前に、食事に興味を持つような環境を作ることです。
たとえば、赤ちゃんのそばで、お母さんやお父さんがおいしそうに話しかけながら食事をすることも良いです。そのようにしていくうちに、赤ちゃん自身が食べたそうな仕草をしたり、よだれが多くなったりと、離乳食を開始するシグナルが現れます。
このような赤ちゃんの変化をお母さんがキャッチして、自然に始められることが大切です。決して他の赤ちゃんと比較して、あせって開始することはしないでください。
あせって開始してしまうと、食物アレルギーを引き起こす可能性が高くなるばかりでなく、食事に対して恐怖心を与えてしまうことにもなります。
大切なことは、しゃべることのできない赤ちゃんの仕草など、お母さんとお父さんが良く観察して十分なコミュニケーションを取ることです。
④ 成長に合わせた食材選び!
離乳食を進める中で、赤ちゃんの成長に合わせた食材や調理方法が必要です。赤ちゃんの歯の生える順番を目安に考えると分かりやすいです。
最初に生える歯は前歯です。次に臼歯、最後に犬歯の順番です。
歯の形から考えると、前歯は野菜や果物を噛むための歯、臼歯は穀類や芋類をすりつぶすための歯、そして犬歯は肉や魚を噛み切るための歯です。このようにして考えていくと、最初は植物性食品の野菜や果物から始めて、徐々に植物性食品の穀類や芋類を混ぜていき、最後に動物性食品の肉や魚という順番になります。これらの食品は液状、又は半固形状に調理してください。
⑤ 基本はお母さんの手作り料理!
離乳食は一生付き合っていく【食事】の第一歩です。また、乳幼児期の食生活が、将来の食習慣に大きく影響するといっても過言ではありません。赤ちゃんの心やからだにやさしい、自然で安全な手作り料理を心がけてください。