2010年05月

2010年05月21日

薬物療法その2≪ステロイド剤≫

さて、お話を本題に戻し、アレルギーで処方される薬についてお話します。

既に、ご存知の方も多いと思いますが、今回は、ステロイド剤についてお話します。

ステロイド剤は、副腎皮質から分泌される副腎皮質ホルモンの一つである「糖質コルチコイド:コルチゾール」を化学合成し人工的に作られたホルモン剤です。

 

※糖質コルチコイドのはたらき

【生理作用】

◎糖質、たんぱく質、脂質の分解・代謝

◎ストレスを抑える

【薬理作用】

◎炎症、痒みを抑える

◎免疫を抑制する

 

外用(塗り薬:軟膏、クリーム、点耳薬、点鼻薬など)、内服(飲薬)、注射、点滴に使われ、外用は5段階の強さに分かれています。

また、使用する場所(部位:顔、手、腕、陰部など)により、体内に吸収する度合いが異なるので、強さ、使用する場所はしっかりと理解する必要があります。

理解が不十分だと、副作用の原因になります。

必ず、処方された医師や薬剤師、医療の専門家に確認してください。

 

【確認内容】

◎治療の目的、方針、方向性の確認

現在受けている、また受けようとしている治療の目的と結果が、どのようになるのか把握してください。

 

◎薬の確認

名前、作用・副作用、使用の頻度・方法、使用中の規制(食べ物、運動、併用してはいけない薬)を把握してください。

 

医師には、どんな内容でも患者の質問に対して説明する義務があります。状況を把握するためにも必ず確認してください。

また、確認した際の医師の態度や言動等に不信感を持ったときは、その医師は???です。

そのようなときは、違う病院へ受診することも選択肢の一つです。

また、信頼できる薬剤師や医療の専門家に相談してください。



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2010年05月12日

アレルギーの対処方法:薬物療法その1

薬物療法では、既にお話したとおり、ステロイド剤、抗アレルギー剤、抗ヒスタミン剤、漢方薬、プロトピック軟膏(アトピー治療)、気管支拡張剤(喘息治療)が使われます。

薬は、一時的に症状を「鎮める」、「和らげる」といった効果があります。また、効果がなくなれば、再び症状が現れるといったことをよく理解してください。

 

脱線して、一度はかかったことのある風邪のお話を少々。 ごめんなさい!!

風邪の症状としては、発熱、喉の痛み(炎症)、咳、痰(たん)、くしゃみ、鼻水、関節痛(炎症)といったものがあります。

処方される薬は、解熱鎮痛剤、去痰剤、鎮咳剤、抗ヒスタミン剤、抗生剤、そしてビタミン剤などです。

いろいろ処方されますが、必要のない薬も処方されることが、たまに?よく?ありますよね。

乳幼児の場合、シロップなどに混合されているものもあります。

 

そもそも、風邪は、ウィルスが原因の病気なので、菌(バクテリア)に対して効果のある抗生剤は効きません。抗生剤は、黄色ブドウ球菌などによる喉の痛みを和らげるため、また肺炎などの二次感染予防のために処方されます。

 

ウィルスを退治(増殖の阻止)してくれるのは、抗ウィルス作用をもつインターフェロンです。

インターフェロンは、元来備わっている免疫反応をつかさどるたんぱく質の一つで、37℃で活性化します。よって、解熱剤などで熱を下げてしまうと働きが悪くなります。

また、インターフェロンは、ウィルス以外にも自身の組織を傷つけてしまいます。結果、風邪の症状の一つである関節の痛みが現れます。

とは言っても、インターフェロンの働きを阻害するからといって、解熱剤を使用しない。といった考えは間違いです。

成人の場合はまだしも、乳幼児に対しては適切に使用する必要があります。

 

一般的に、医師や薬剤師の方は、体温が38.5℃を超えたときは使用するように言われます。

ただ、私の娘の場合、体温だけでなく、機嫌や食欲、風邪の動向や諸症状をよく観察し、抗生剤や解熱剤を使用するようにしています。

また、症状に合った薬を処方してくれる医師のところを受診するようにしています。

 

薬のことを教えてくれる、信頼できる医師や薬剤師、医療の専門家を持つことが必要です。

お付き合いしている方々とは、色々な情報を交換しています。



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2010年05月05日

アレルゲン除去その4≪母乳について≫

母乳について、少しふれておきます。

 

◎母乳についての考え方

母乳についての考え方は、「母乳の中にある、何らかの分子が母乳経路で移行して子供のアレルゲンになる。」といった考えや、「たんぱく質そのものが移行するのではなく、アミノ酸の固まりや母親がアレルギーをもっていて、母親の抗原抗体の合わさったものが移行する。」との考え、また「母乳は関係ない。」などいろいろです。

そのような中、あまりRAST検査の値に振り回されて、数値を低くしよう、低くしようと思わない方がよいのではないか?と考えてしまいます。

肝心なのは症状であり、数値が高くとも症状が出ないこともありますものね。

 

大切なことは、母親が実際に食べたものの食事日記をつけてみて、「ああ、これなら大丈夫。」「今日は、こういうものを食べさせたら湿疹が出た。」など、よく子供を観察することです。

 

日本では、RAST値を下げることに頑張りすぎて、乳幼児の栄養不足や母親の食事ノイローゼが心配されています。

要するに、食べられるものを食べさせていく。RAST検査は参考になるが、絶対ではない。ということではないでしょうか。

 

しかし、現在いろいろな考え方があり、結論が出ていない段階であることも確かです。

 

娘の成長日記「みちるとママのアトピー日記」はこちら
 ⇒ http://blog.livedoor.jp/kasumiso_mari/


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2010年05月01日

アレルゲン除去その3≪アレルゲン除去の注意点≫

現在、アレルゲン除去を行っている方がいらしたら、皮膚テストと血液検査のみで除去を行っていないか考えてください。

 

除去を行ってきた方の多くが最初にお話しすることに、「何を食べたら良いのか?食べても大丈夫なものを見つけるのが大変!」、「周りのお子さんと同じ食べ物を食べられないことで、精神的なストレスにならないか。」、「アレルギーに関して有名であるという医師のところへ通うが改善しない。」、「いろいろな病院、クリニックを転々としたが、改善が見られなかった。」など、本人はもちろんのこと、お母さんやお父さんのご苦労は大変なものです。

それもこれも、解除が思うように進まないことや、解除の目処が立たないといったことが大きな原因に思えます。

 

ところで、アレルゲンの除去を診断し、指導する医師は多いですが、きめ細かな解除の指導を行う医師は少なくないですか?

 

医師から除去を指導された際、次のことを聞いてみてください。

・除去中の具体的な食べ物について

・吸入・接触性アレルゲンの具体的な除去方法

・除去をいつまで続けるのか、また解除の方法などの治療計画

 

質問に対して、真摯に答えてくれる医師は大丈夫ですね。

そうではない医師は????です。

 

また、「保育園や幼稚園、小学生になる頃には解除ができますよ。」といった、子供の成長と共に自然に解除が進むといったことを話す医師がいませんか?

確かに、アレルギーは、成長と共に改善する病気であるので、基本的には間違いではありません。

しかし、改善の時期があやふやでは、不安の解消にはなりにくいですね。

合わせて、薬物療法も続くことになり、結果、最初の頃と比べ薬物依存度が高くなるといったことがあり、さらに不安が重なります。

 

私がお付き合いしているクライアントの方は、食事日記を付けながら経過を観察し、合わせて、生活習慣を改善することで食べられるものが増えています。

解除には、お薬や除去はもちろんのこと、子供の成長に合わせた睡眠、食事、運動、入浴、精神的なストレスの解消といった生活習慣の改善が必要であると考えています。



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