2010年09月21日
薬物療法その4≪ステロイド剤の副作用≫
ステロイドの副作用が怖いからといって、医師から処方されたステロイドは使用しない。と話していた人がいました。でも、その人は市販されている虫刺されの薬は、抵抗なく使っていました。
ちなみに、市販されている虫刺されの薬には、ほとんどステロイド剤が含まれています。だからといって、副作用を考え、市販されている薬を使わないというのはいかがなものでしょうか。
また、漢方薬には副作用がない。といったことを聞くこともありますが、これは間違いです。漢方薬を含め、副作用のない薬はありません。もっと言えば、健康食品やサプリメントにも副作用はあります。
副作用を起こす主な原因は、薬の効果・効能を理解せず、症状を和らげることだけを目的に使用する。また、安易に長期間使用する。などがあげられます。
薬のことを理解していれば、副作用のことを過度に考える必要はないと思います。
薬のことを今一度考えてみてください。
また、薬のことを教えてくれる、信頼できる医師や薬剤師、医療の専門家を持つことは必要です。
ステロイド剤の主な副作用について、少しふれておきます。
既に、お話したように、ステロイド剤は、副腎皮質ホルモンの一つである「糖質コルチコイド:コルチゾール」を化学合成し、人工的に作ったホルモン剤です。
本来、微量ではたらくホルモンを外部から大量に入れることは、からだの様々な作用に影響を与えます。
また、糖質コルチコイドには、色々なはたらきがありますので、それぞれにおいて副作用を考えなければなりません。
1)皮膚の感染症(免疫抑制作用)、皮膚の萎縮(皮膚の非薄化・出血)、皮膚の肥厚、
毛細血管拡張(赤ら顔)、ムーンフェイス(脂肪代謝の悪化:皮下脂肪をためる)
2)皮膚のむくみ・少尿
3)生理不順・生理停止・脱毛・多毛
4)白内障・緑内障・網膜剥離(眼圧高進)
5)色素沈着(下垂体・副腎系機能の抑制:下垂体によるメラニン色素細胞の影響)