2012年03月04日
急性穿孔性虫垂炎で緊急手術③
ベットの横には、妻と娘がいる。
当たり前だが、何が行なわれたのか理解できない。そして、そのことに少し恐ろしさを感じた。
娘は、「痛い?」「どう?」など矢継ぎ早に質問してくるが、声を出す気力はなく、右手を軽く振って“無理”という答えが一杯、一杯。
口の中は渇きがひどく、唾液がネバネバして気持ちが悪い。
そして、お腹と急所に痛みと違和感が!
妻に、ガーゼと水を頼み、唇と舌を拭く。
少し落ち着くも、上半身は斜めに起こされている状態。
左腕には点滴、お腹から下は痛みと違和感で動かすことができず、動かすことができるのは右腕と首から上だけ。
妻には「もう、帰っていいよ。」と伝え、必要なものはカバンに入れてきたことを妻から聞き、妻と娘は帰っていった。
その晩は、救命救急の病室で過ごすことに。
担当の看護師がBGMを流してくれたので、気持ちは楽だった。
でも、痛みと違和感がなくならず、何度も検温と血糖値を測る。そして、点滴から薬を入れる。
渇きとネバネバは完全になくならず、一晩中拭いていた。
朝になったのか?主治医がやってきた。
状態を確認し一般病棟へ移動となる。
お腹から下を見ると、お腹と急所から管が出ている。“痛みと違和感はこのせいか”
そして、オムツをはいている。“いつの間に!”と思っているところに、主治医が「急所に入れていた管を抜く。」と言う。
“えっ”と思うもつかの間、“うっ!痛っ”
そして、余韻を感じる時間もないまま、看護師から着替えを告げられる。
「1人で着替えられますか?」と言われ、「ハイ!」と答えるも、“脚が上がらない”
左右の手でズボンをつかみ、腕の力で左足そして右足とベットから下ろす。
お腹の痛みから、一つ一つの動作に時間がかかる。
着替え終わると、看護師から「回復を早めるため、できるだけ動くように。」と告げられる。
少し余裕が持てたのか、冗談ぽく「できるだけと言われるより、動くように!と言われたほうが動けますよ。」と言うと「そんな言い方はできませんよ。」と言った後に「じゃぁ、少し歩きましょう」ということに。
性格なのか? 「できるだけ」と言われると、やっても、やらなくてもどちらでもいいと感じてしまう。
やるべきことは、強く言ってもらったほうが楽である。
少し、歩いた後に、一般病棟移動する。
言うまでもなく、ゆっくりですが歩いてです。
病室のある5階フロアーまで行くと、新しい看護師が「私が担当します。」「宜しくおねがいします。」と明るく話してきた。
“間が悪い!”歩いて来たことに加え、痛みで思うように答えられない状態なのに。
“申し訳ない”と思いながら、会釈だけの挨拶で済ませてしまった。
後日、事情を話し「すみませんでした。」と告げました。